棚卸資産（inventory）の定義について、日本基準・国際基準・米国基準の３つを比較してみます。
日本基準（Japanese GAAP）
日本の会計基準では、棚卸資産について、「企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準」で定義されています。
日本語（Japanese）
日本の会計基準では、棚卸資産は次のとおり定義されています。
- 通常の営業過程において販売するために保有する財貨又は用役
- 販売を目的として現に製造中の財貨又は用役
- 販売目的の財貨又は用役を生産するために短期間に消費されるべき財貨
- 販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
英語（English）
Under Japanese GAAP, inventories are defined as follows:
- goods or services held for sale in the ordinary course of business;
- goods or services in the process of production for sale;
- goods to be consumed in a short time period in the production of goods or services to be available for sale; and
- goods to be consumed in a short time period in sales, general and administrative activities.
特徴
販売活動及び一般管理活動において消費される財貨が棚卸資産に含まれる点が特徴的です。
国際会計基準（IFRS）
国際会計基準では、棚卸資産について、IAS 2で定義されています。
日本語（Japanese）
国際会計基準では、棚卸資産は次のとおり定義されています。
- 通常の営業過程において販売を目的として保有される資産
- その販売（通常の営業過程における販売）を目的とする生産の過程にあるもの
- 生産過程または役務の提供に当たって消費される原材料または貯蔵品の形態の資産
英語（English）
Under IFRS, inventories are defined as follows:
- assets held for sale in the ordinary course of business;
- assets in the process of production for such sale; and
- assets in the form of materials or supplies to be consumed in the production process or rendering of services.
米国会計基準（US GAAP）
米国会計基準では、棚卸資産について、ASC 330-10-20で定義されています。
日本語（Japanese）
米国会計基準では、棚卸資産は次のとおり定義されています。
- 通常の営業過程において販売を目的として保有される有形人的動産
- その販売（通常の営業過程における販売）を目的として生産の過程にある有形人的動産
- 販売目的の財貨または役務の生産において現に消費されるべき有形人的動産
英語（English）
Under US GAAP, inventories are defined as follows:
- tangible personal properties held for sale in the ordinary course of business;
- tangible personal properties in process of production for such sale; and
- tangible personal properties to be currently consumed in the production of goods or services to be available for sale.
特徴
米国会計基準では、資産(an asset)ではなく、有形人的動産（a tangible personal property）という言葉を用いて定義している点が特徴的です。
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